投稿日:2025.08.18

ヒアルロン酸で顔がたるむって本当?たるみのメカニズムと予防策を解説

「ヒアルロン酸注入を受けたいけれど、吸収された後にたるむ可能性がありますか?」

「ヒアルロン酸を打った後、以前よりもたるんだような気がするのですが…?」

ヒアルロン酸注入についてご検討の患者様から、このようなご質問を受けることがあります。

この記事では、ヒアルロン酸注入専門クリニックの立場から、たるみのメカニズムとヒアルロン酸注入の関係性について詳しく解説いたします。

ヒアルロン酸注入はたるむ治療ではない

まず大前提として、ヒアルロン酸注入は、たるむ治療ではありません。

ヒアルロン酸は私たちの体内にもともと存在する成分で、保水力と弾力性を持っています。皮膚に注入されたヒアルロン酸は、年齢とともに失われた肌のボリュームを補い、皮膚を内側から押し上げることで、しわやたるみ、輪郭など幅広い改善効果をもたらします。

「たるむ」という現象は、適切な技術と知識を持った医師による治療であれば起こりえないものです。もしヒアルロン酸注入後にたるみが生じた場合、それは治療方法や技術に問題があった可能性が高いと考えられます。

関連リンク:ヒアルロン酸注射の効果 | 部位ごとの悩みを解消するには?

顔のたるみが起こる原因

顔がたるむ背景には、加齢に伴う構造的な変化があります。顔は複数の層から成り立っており、それぞれに変化が生じることでたるみが進行します。

  • 皮膚の弾力性・ハリの低下、厚みの減少
  • 皮下脂肪の萎縮と下垂
  • 筋肉の収縮力の低下
  • 骨の萎縮
  • 靭帯の緩み

加齢により、皮膚そのものの強度が低下し、脂肪のボリュームが減少したり重力により下方向へ移動したりすることで、輪郭がぼやけてきます。表情筋の働きが弱まり、皮膚や脂肪を持ち上げる力が減退します。

これらの皮膚や筋肉の土台となる骨が萎縮し、支えが失われると、“たるむ”といった現象につながります。さらに、皮膚や筋肉を骨に固定する靭帯が緩むことで、顔全体が下方向に引っ張られるようになります。

ヒアルロン酸はたるみを改善する治療

ヒアルロン酸注入の役割のひとつは、年齢とともに失われた顔の土台を補い、たるみを改善することです。

骨格の萎縮や脂肪の減少によって生じた空間をヒアルロン酸で埋めることで、皮膚を適切な位置に戻し、余った皮膚を引き上げる効果があります。

単純にしわを「埋める」のではなく、顔全体の構造バランスを整えることで、自然な若返り効果をもたらします。

ヒアルロン酸が体内でどのように分解・吸収されるか

注入されたヒアルロン酸は、体内のヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)によって徐々に分解されます。ヒアルロン酸の効果の持続期間は6~24ヶ月程度で、使用する製剤の種類や個人の体質によって異なります。

ヒアルロン酸の効果の持続期間について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連リンク:ヒアルロン酸の持ちはどのくらい?種類別の持続期間と選び方

ヒアルロン酸吸収後にたるむのは自然老化が大きい

加齢とともに、私たちの顔にはさまざまな構造的な変化が起こります。なかでも大きな影響を与えるのが、骨や脂肪、筋肉のボリュームロスです。

例えば、顔の骨は年齢とともにわずかに委縮し、支えが減っていきます。また、脂肪の位置や量が変化することで、頬やフェイスラインが下がって見え、たるみが生じやすくなります。

注入されたヒアルロン酸が徐々に吸収されると、加齢変化としてたるみが目立つようになることがあります。

これは「ヒアルロン酸注入の影響によってたるんだ」のではなく、「自然な老化現象が進んだ」と理解すべきです。

不適切なヒアルロン酸注入でたるむリスクがある

通常、失われたボリュームを補うためにヒアルロン酸を適切な場所に適切な量を注入した場合は、皮膚が伸びることはあまりありません。

しかし、骨格や肌の状態の限界を超えた過剰な注入を繰り返すと、皮膚が伸び過ぎてしまい、結果的にたるみやしわを引き起こすリスクがあります。

ヒアルロン酸分解酵素もたるみのリスクがある

過剰に注入しすぎたからとヒアルロン酸分解酵素を注入することで、かえって皮膚がシワシワに見えたり、たるんだ印象に見えたりすることがあります。これは一時的に皮膚が伸びた状態から急激に縮むことで起こる現象です。

このようなリスクを避けるためにも、初回注入時から信頼できる医師による適切な治療を受けることが大切です。

たるみにアプローチする解剖学に基づいたヒアルロン酸注入法

ヒアルロン酸注入に用いられているのが、解剖学的構造に基づいたMDコードという考え方です。顔面の解剖学的特徴を詳細に分析し、最も効果的な注入ポイントを数値化・体系化しています。しわやたるみを個別の問題として「点」で捉えるのではなく、顔全体を「面」として捉え、相互に関連する構造として治療するのが特徴です。

MDコードの最大の特徴は、患者様おひとりおひとりの骨格やお顔の特徴、ご希望に合わせた最適なプランを作成することです。同じ悩みを持つ患者様でも、骨格や筋肉の状態によって最適な治療法は異なります。

ヒアルロン酸注入でたるまないためにできること

ヒアルロン酸注入をしたら、たるむことがなくなるわけではありません。しかし、たるみを遅らせることはできます。

ヒアルロン酸注入の効果を最大化し持続させるためには、治療だけでなく、日常生活での適切なケアが欠かせません。

紫外線対策の徹底、適切なスキンケア、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、基本的な生活習慣の改善により、ヒアルロン酸注入の効果をより長く維持することができます。

特に、40~50代女性は、ホルモンバランスの変化に配慮した生活習慣の見直しにもつながります。

施術だけでなく、ご自身でできることにも取り組むと、より効果を維持しやすいでしょう。

ヒアルロン酸注入後の日常ケアについて、詳しくは以下の記事もご覧ください。

関連リンク:ヒアルロン酸の持ちはどのくらい?種類別の持続期間と選び方

ヒアルロン酸注入はフィラークリニック

「ヒアルロン酸でたるむ」という不安は、多くの場合、不適切な治療や誤解に基づくものです。適切な技術と知識を持った医師による治療であれば、ヒアルロン酸注入はたるみの改善と予防に効果的と言えます。

MDコードを活用したヒアルロン酸注入は、10年後、20年後を見据えた治療です。単なる表面的な改善ではなく、顔全体の土台から加齢変化に合わせてバランスを整えることで、自然で持続的な美しさを実現できます。

そのこだわりが、当院の完全オーダーメイド施術「フィラー式カスタマイズヒアル」です。患者様ひとりひとりの骨格や筋肉構造を詳細に分析し、最適な治療プランをご提案します。

フィラークリニックはヒアルロン酸注入専門クリニックとして、豊富な経験と最新の技術により患者様の不安を解消し、安全で効果的な治療を提供いたします。

ご不安やご質問は無料カウンセリングで丁寧にご説明いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。

監修医

福岡院院長 笠 智就
フィラークリニック 福岡院院長
笠 智就

香川大学医学部卒業後、整形外科・大手美容外科を経て、
2023年10月よりフィラークリニック福岡院の院長を務めております。
月間200症例以上のヒアルロン酸注入を行っており、
クマ取りをはじめトータルアンチエイジングを得意としています。
自然に、でもしっかり効果を出すために、
解剖学的な知識を元に「どう入れるか」にとことんこだわった治療を行っています。

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