投稿日:2025.05.22

ヒアルロン酸注入後のしこり | 原因、予防法から改善方法まで

「ヒアルロン酸を入れたら、しこりになってしまった…」「またヒアルロン酸注入をしたいけど、しこりができるのが怖い…」

ヒアルロン酸注入をされたことのある患者様から、よくいただくご質問です。

ヒアルロン酸注入は、ほうれい線や目の下のクマ等多くのお悩みを改善できる人気の施術ですが、稀にこうした「しこり」ができてしまうケースがあります。

この記事では、ヒアルロン酸注入後にしこりができる原因、事前にできる予防法、できてしまった時の対処法を、ヒアルロン酸注入専門クリニックの立場からわかりやすく丁寧に解説します。

ヒアルロン酸注入後にあらわれる「しこり」とは

ヒアルロン酸を注入した後にあらわれるしこりとは、皮膚の下で部分的に硬くなったり、ふくらみが不自然に残ったりする状態のことです。

しこりが生じるのにはいくつかの理由が考えられます。たとえば、ヒアルロン酸が均一に広がらず、一部分で固まってしまったり、注入する深さが適切でなかったり、粘度が高すぎる製剤を使ったりする場合です。

またご自身の体質やアレルギー反応によっても起きることがあります。

こうした問題は、施術を担当する医師の技術や経験、製剤の選び方、さらには患者様の体質との相性によっても左右されます。

代表的なしこりができやすい部位

しこりには、できやすい部位もあります。

  • ほうれい線:凸凹が目立ちやすい
  • 目の下:帯状にしこりができる場合がある
  • 唇:ボコボコとした違和感がある
  • 額:表情の動きで凸凹が目立つことがある

ヒアルロン酸注入後にしこりが発生する原因

ヒアルロン酸注入後にできるしこりの原因はさまざまです。具体的にどのようなことが原因になるのか、代表的なものを詳しく見ていきましょう。

ヒアルロン酸の周囲に被膜ができる

しこりの原因のひとつが被膜(繊維質の膜)です。

注入したヒアルロン酸を体が「異物」と判断すると、その周りに被膜を作って包み込むことがあります。時間とともに自然に柔らかくなることも多いものの、場合によっては長期間しこりが残ることもあります。

注入深度のミス

ヒアルロン酸は「適切な深さ」に注入することがとても大切です。浅すぎると不自然な凸凹が生じるだけでなく、青白く透けて見える「チンダル現象」が起きることがあります。浅すぎず、塞栓が起こりにくい正しい層に入れるには、医師の技術と知識が必要になります。

注入量・速度のバランス

ヒアルロン酸を一度に大量に注入すると、その部位で固まりやすくなりしこりの原因になります。またカニューレ(先端の丸い注射針)を使用した場合、注入するスピードが速すぎると、均一に広がらずに部分的に固まってしまいます。自然で美しい仕上がりには、注入量とスピードの適切なコントロールが欠かせません。医師の経験や技術が影響するところです。

遅発性有害事象

ヒアルロン酸注入から1ヶ月~1年後に、遅発性有害事象があらわれることもあります。この場合はしこりの他に赤みや腫れを伴います。風邪、ワクチン接種、歯科治療などをきっかけに発症することがあり、病態は免疫系の反応による炎症、感染などと言われています。遅発性有害事象の場合は処置が必要なので、異常を感じたらすぐにクリニックにご相談ください。

製剤の選択ミス・粗悪なヒアルロン酸の使用

どのヒアルロン酸製剤を選ぶかでも、しこりのリスクが変わります。高粘度で硬めの製剤は形を維持しやすい一方で、馴染みにくい性質のため、しこりが残りやすい傾向にあります。また、承認されていない粗悪な製剤や、管理が不適切な製剤を使うと、アレルギーや感染のリスクも高まります。信頼できるクリニックや製剤を選ぶことが大切です。

しこりができた場合のリスクと放置の危険性

注入後のしこりは、一時的な反応として体内に自然に吸収される場合もありますが、以下のような場合には注意が必要です。

  • 数週間たっても、しこりが小さくならない
  • 徐々に硬くなってきたり、赤みや痛みが出てきたりする
  • 周囲に炎症が広がってきている
  • 見た目に大きく影響し、バランスが悪くなっている

こうした症状を放置すると、周囲の組織が硬くなり、ヒアルロン酸を溶かしたり除去したりすることが難しくなる場合があります。自己判断での改善は難しいことが多いため、違和感が続く場合はできるだけ早く医師に相談しましょう。

ヒアルロン酸注入後のしこりを改善する方法

注入後のしこりは、クリニックで適切に治療することができます。どんな方法があるかご紹介します。

ヒアルロン酸溶解注射で溶かす

ヒアルロン酸注入後のしこりを治療する際によく用いられるのが、ヒアルロン酸を分解する酵素「ヒアルロ二ダーゼ」です。このヒアルロ二ダーゼを、しこりができている部位に直接注入すると、注入直後から数日で改善が期待できます。施術自体は比較的短時間で済みますが、針を使った治療のため、副作用として内出血や腫れが起きる可能性があります。こうした症状は一時的なものですので、ご安心ください。またヒアルロ二ダーゼの副作用としてはアレルギーもあるため、プリックテストというアレルギー検査を必ず行います。

外科的な除去

ヒアルロン酸溶解注射で改善しないしこりに対しては、外科的に切除することもあります。局所麻酔をした上で、小さく切開して取り除く方法です。この場合、形成外科での処置が必要となります。外科的治療は傷跡が残るリスクがあります。どの方法が適切か、まずはご相談くださいね。

セルフマッサージに注意

しこりが気になると、つい自分で押したり揉んだりしたくなりますよね。しかし、強く刺激を与えると、かえって炎症が悪化したり、症状が長引いたりする可能性があるので要注意です。特に赤みや痛みを伴うしこりの場合、自己判断でのケアは控えてください。症状が長引くリスクがあります。症状が気になるときは、なるべく早めに医師の診察を受け、適切な処置やアドバイスを受けることをおすすめします。

ヒアルロン酸注入後のしこりを予防するためにできること

ヒアルロン酸注入によるしこりのリスクを最小限に抑えるためには、次のポイントを意識してみてください。

  • 症例数が多い信頼できる医師がいるクリニックを選ぶ
  • 事前カウンセリングで、使用するヒアルロン酸製剤の種類や特徴、リスクを納得いくまで説明してもらう
  • 術後は生活上の注意点を守って過ごす
  • 違和感や異常に気づいたら、すぐクリニックに相談する

大切なのは、信頼できるクリニックを選ぶこと、適切に過ごすことです。

ヒアルロン酸注入ならフィラークリニック

ヒアルロン酸注入後のしこりは、正しい医療知識と適切な対処法によって予防・改善できます。

当院は全国でも数少ないヒアルロン酸注入専門クリニックとして、解剖学的な知識や高い技術力、豊富な症例をもとに、安全で安心できる治療をご提供しています。

  • ヒアルロン酸注入専門クリニックならではの多数の症例実績
  • ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロ二ダーゼ)にも対応
  • 医師による丁寧なカウンセリングと、施術後のLINEでアフターサポート

ヒアルロン酸注入に際してしこりが不安な方には、カウンセリングにて対処法を含め詳しくお話させていただきます。

どうぞお気軽にご相談ください。

監修医

福岡院院長 笠 智就
フィラークリニック 福岡院院長
笠 智就

香川大学医学部卒業後、整形外科・大手美容外科を経て、
2023年10月よりフィラークリニック福岡院の院長を務めております。
月間200症例以上のヒアルロン酸注入を行っており、
クマ取りをはじめトータルアンチエイジングを得意としています。
自然に、でもしっかり効果を出すために、
解剖学的な知識を元に「どう入れるか」にとことんこだわった治療を行っています。

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